
コーディネ―ショントレーニングやコオーディネーショントレーニングは、スキルや技術向上に欠かせない体力要素です。
適切にこの2つのトレーニングができると、今よりももっと自由に身体を動かせるようになっていくはずです。
この記事では、
- コーディネ―ショントレーニングとは
- コオーディネーショントレーニングとは
などを解説します。
今回の記事の内容
コーディネ―ショントレーニングとは
コーディネーションは、以下のような意味があります。
コーディネ―ション=アメリカ的
コーディネ―ション【coordination】とは、アメリカ的な考え方で、
全ての動きは、脳が支配している
ということが根底にあります。
例えば、全く経験のないスポーツや動きをするとき、身体をどのように動かしていいのか分からず難しさを感じますよね。
このとき、「足をこうやって動かして、腕はこうやって動かす…」というように、動きを“意識して作っていく”ようなイメージで動作を脳にインプットしていきます。
このときポイントがあり、
できる→できる→できるというステップを踏んで、1つの動作を習得すること
が重要になります。
コーディネ―ショントレーニングをするときのポイントは、
- ゆっくり → 速く
- 簡単な動き → 複雑な動き
というようにステップアップして、目的とする動作を確実に習得できるにしていきます。
野球のコーディネ―ショントレーニングの例
例えば、まだキャッチボールを確実にできない小学生がいるとします。
この小学生が適切にキャッチボールを行えるようになるためのコーディネ―ショントレーニングは、以下のような手順で行っていきます。
- 5mの距離で立ち、ワンバウンドさせてボールをキャッチする
- 5mの距離で立ち、下投げでノーバウンドのボールを投げてキャッチする
- 10mの距離で立ち、ワンバウンドさせてボールをキャッチする
- 10mの距離で立ち、下投げでノーバウンドのボールを投げてキャッチする
- 10mの距離で立ち、上投げでノーバウンドのボールを投げてキャッチする
- 15mの距離で立ち、上投げでノーバウンドのボールを投げてキャッチする
というイメージで、徐々に難易度を上げつつ、スピードも上げていきます。そして、1つ1つを確実にできるようになってから次のステップに移るようにします。
そうすると、キャッチボールが確実にできるようになり、キャッチボールをするという目的が達成されます。
このように、目的とする動作を習得するためのできる→できるというステップをつくればOKです。これが、コーディネ―ショントレーニングの具体的な方法ですね。
コーディネ―ションの7つの能力
このコーディネ―ション能力を向上させる上で知っておきたい能力が7つあります。それぞれご紹介しますね。
識別能力
さまざまな動きや目的に対して、身体を正確に動かせるように調和する能力のこと
連結能力
ある身体の部分を動かし、その部分的な動きを全身運動の中でスムーズに行えるようにつなげる能力のこと
反応能力
さまざまなシグナルに対して、より素早くかつ正確に反応する能力のこと
定位能力
「ボールがこの後この辺りに落ちてくる」というような空間・時間を的確に調整できる能力のこと
バランス能力
バランスの良い状態から姿勢が崩れたときに立て直す、もしくは環境の悪い中でバランスを維持する能力のこと
変換能力
目的を達成しようと行っていた動作の最中、目的が変わり別の動作が必要になったときに素早く動作を変換できる能力のこと
リズム化能力
音楽や外的なものから指示されるリズムを、動きのリズムとして再現できる能力のこと
これら7つの能力が複雑に絡み合ってコーディネ―ション能力となり、身体を自由自在に動かせるようになるということです。
コオーディネーショントレーニングとは
続いては、コオーディネーションについて解説します。
コオーディネーション=ドイツ的
コオーディネーションはドイツ的な考え方であり、
脳が関与しない状態(無意識)でも身体を動かせることが必要
というのがメインの考え方です。
スポーツの試合などでは、決まったパターンの動きやシチュエーションは1度たりともなく、全て微妙に違います。
こういう状況に適応するために、あえて意識的に身体を動かさず、無意識(反応)で動けるようにする能力を養成するための考え方がコオーディネーションになります。
コオーディネーションの本質は、
あえてできない・難しいことを“経験”させること
にあります。
コーディネ―ションと大きく違う点は、何かの動作を取得・できることを最初から目的としていないことです。
逆に、コオーディネーショントレーニングをするときの注意点は、実施する人が予想・予期できることはNGということです。
常に新しい、難易度が高いことを経験させることで、試合中など咄嗟のプレーのときに”無意識で”身体が動くようになります。
野球のコオーディネーショントレーニングの例①
野球選手がコオーディネーショントレーニングを行う場合、1つは近距離ノックがあると思います。
この近距離ノックでは、ボールを捕ることよりもとにかく飛んでくるボールに対して、グローブを合わせていくことです。
そうすると、試合中にボールがイレギュラーしても、そのとき咄嗟に反応できるようになります。
サッカーのコオーディネーショントレーニングの例
サッカーの場合で言えば、
- ボール3つを使って通常の試合をする
- シュート練習でテニスボールを蹴る
- ゴールキーパーの練習で、同時に3人がシュートを放って止める
などがコオーディネーショントレーニングになります。
普段こういう経験をしませんよね。新鮮さもありますが、何よりこういった経験をした後、いつも通りの練習をすると簡単に感じるはずです。
この感覚の違いが大事で、これもコオーディネーショントレーニングで得られる効果の1つですね。
このように、コーディネ―ションとコオーディネーションは、一文字違いではあるものの、本質的には全く違った意味があるというわけです。
それぞれ理解し、適切なトレーニングができることでより技術向上が期待できるので、ぜひ上記を参考に実践してみてください。
また、今回の内容とあわせて以下の記事も参考にどうぞ。
今回は以上です。最後まで読んでいただき、ありがとうございました!