
野球選手に必要な体幹トレーニングは、身体を丸めるような「腹筋」「背筋」などでもなく、「プランク」のような方法でもありません。
本当に必要なのは、野球動作で実際に行われる身体の連動を活かした体幹トレーニングです。
この記事では、
- 野球の動作で必要になる体幹の役割
- 野球選手に効果的な10の体幹トレーニング方法
などを解説します。
野球の動作で必要になる体幹の役割
野球の動作中に使われる体幹は、以下のような働き方をしています。
腕から体幹へ、下半身から体幹へ
基本的に投手でも打者でも、下半身でエネルギーを蓄えます。
下半身で蓄えたエネルギーを上半身へと移動させ、適切にボールへと伝えた結果、良いパフォーマンスが発揮できます。
この一連の動作の中で、
下半身から体幹に連動して動く
ということが行われます。これが、体幹トレーニングを行う上では重要になります。
また、ボールをリリースする瞬間やバットでボールを打つ瞬間は、最も体幹に力が入ります。
このとき、
手や腕から体幹に連動して、力を発揮している
ということになります。つまり、野球の動作中には、
- 下半身から体幹へ
- 手や腕から体験へ
連動しながら力を発揮していることから、体幹トレーニングを行う時にはこの流れを意識して行う必要があります。
バッティングの捻り動作を考慮する
また、バッターの場合は捻る動作を行うため、その方向への体幹トレーニングも必要になります。
ただ、身体を丸めるような「腹筋」「背筋」はそこまで役立たないかもしれません。
腹筋・背筋は部分的な力発揮
先ほど、連動して体幹が力を発揮しているとお伝えしましたが、スポーツ現場でもこういった腹筋・背筋が行われていると思います。
これらの方法自体は間違いではありませんが、上記でお伝えしたような全身のつながりを考慮できた方法ではありません。
後程ご紹介する体幹トレーニングと比べるとよく違いがわかりますが、上記のような腹筋・背筋は部分的に刺激が加わります。
実際のプレー中には、体幹全体の筋肉が使われるように働くんですね。
ですので、こういった一部分を鍛える腹筋・背筋ではなく、体幹全体を刺激するトレーニングを行うことが必要です。では、具体的にどのような体幹トレーニングを行えばいいのでしょうか?
今回は、実際に現場でも行っている10種目をご紹介しますね。
野球選手に効果的な10の体幹トレーニング方法
ここからお伝えする体幹トレーニングは、
- ①~⑧は基礎編
- ⑨・⑩は投手・野手別編
としてご覧ください。回数やセット数は1つの目安としてお伝えします。
野球選手の体幹トレーニング①:仰向け+両腕上げ
手順
- 仰向けになり、両脚は腰幅に開く
- 踵を真下に突き出すように引き伸ばしておく
- 両腕は肩幅の1.5倍ぐらいに開く
- 手のひらを内側に向け、できるだけ頭上に引き伸ばす
- 顎を軽く引いた状態から、腕・頭・体幹を10cm程度持ち上げる
- このとき上半身をできるだけ引き伸ばしたまま持ち上げる
- その状態のまま身体を下げ、再度同じように身体を持ち上げる
- これを20回×3セット行う
野球選手の体幹トレーニング②:うつ伏せ+両腕上げ
手順
- うつ伏せになり、両脚は内側に締めておく
- つま先までできるだけ引き伸ばす
- 両腕は肩幅の1.5倍ぐらいに開く
- 手のひらを内側に向け、できるだけ頭上に引き伸ばす
- 顎を軽く引いた状態から、腕・頭・体幹を10cm程度持ち上げる
- このとき上半身をできるだけ引き伸ばしたまま持ち上げる
- その状態のまま身体を下げ、再度同じように身体を持ち上げる
- これを20回×3セット行う
野球選手の体幹トレーニング③:仰向け+両脚上げ
手順
- 仰向けになり、両脚は腰幅に開く
- 踵を真下に突き出すように引き伸ばしておく
- 両腕は肩幅の1.5倍ぐらいに開く
- 手のひらを内側に向け、できるだけ頭上に引き伸ばす
- 顎を軽く引いた状態から、脚を10cm程度持ち上げる
- このとき脚をできるだけ引き伸ばしたまま持ち上げる
- その状態のまま脚を下げ、再度同じように脚を持ち上げる
- これを20回×3セット行う
野球選手の体幹トレーニング④:うつ伏せ+両脚上げ
手順
- うつ伏せになり、両脚は内側に締めておく
- つま先までできるだけ引き伸ばす
- 両腕は肩幅の1.5倍ぐらいに開く
- 手のひらを内側に向け、できるだけ頭上に引き伸ばす
- 顎を軽く引いた状態から、脚を10cm程度持ち上げる
- このとき脚をできるだけ引き伸ばしたまま持ち上げる
- その状態のまま脚を下げ、再度同じように脚を持ち上げる
- これを20回×3セット行う
野球選手の体幹トレーニング⑤:仰向け+片腕・片脚
手順
- 仰向けになり、両脚は腰幅に開く
- 踵を真下に突き出すように引き伸ばしておく
- 両腕は肩幅の1.5倍ぐらいに開く
- 手のひらを内側に向け、できるだけ頭上に引き伸ばす
- 顎を軽く引いた状態から、右腕・左脚を10cm程度持ち上げる
- このとき腕・脚をできるだけ引き伸ばしたまま持ち上げる
- その状態のまま脚を下げ、逆側の左腕・右脚を持ち上げる
- これを交互に20回×3セット行う
野球選手の体幹トレーニング⑥:うつ伏せ+片腕・片脚
手順
- うつ伏せになり、両脚は内側に締めておく
- つま先までできるだけ引き伸ばす
- 両腕は肩幅の1.5倍ぐらいに開く
- 手のひらを内側に向け、できるだけ頭上に引き伸ばす
- 顎を軽く引いた状態から、右腕・左脚を10cm程度持ち上げる
- このとき腕・脚をできるだけ引き伸ばしたまま持ち上げる
- その状態のままを下げ、逆側の左腕・右脚を持ち上げる
- これを交互に20回×3セット行う
野球選手の体幹トレーニング⑦:仰向け+両腕・両脚
手順
- 仰向けになり、両脚は腰幅に開く
- 踵を真下に突き出すように引き伸ばしておく
- 両腕は肩幅の1.5倍ぐらいに開く
- 手のひらを内側に向け、できるだけ頭上に引き伸ばす
- 顎を軽く引いた状態から、両腕・両脚を10cm程度持ち上げる
- このとき腕・脚をできるだけ引き伸ばしたまま持ち上げる
- その状態のまま腕や脚を下げ、再度同じように腕や脚を持ち上げる
- これを20回×3セット行う
野球選手の体幹トレーニング⑧:うつ伏せ+両腕・両脚
手順
- うつ伏せになり、両脚は内側に締めておく
- つま先までできるだけ引き伸ばす
- 両腕は肩幅の1.5倍ぐらいに開く
- 手のひらを内側に向け、できるだけ頭上に引き伸ばす
- 顎を軽く引いた状態から、両腕・両脚を10cm程度持ち上げる
- このとき腕・脚をできるだけ引き伸ばしたまま持ち上げる
- その状態のままを下げ、再度両腕・両脚を持ち上げる
- これを20回×3セット行う
ここまでが基礎編になるので、中学・高校生ぐらいまでの野球選手は、この8つの体幹トレーニングをぜひ実践してほしいなと思います。
投手の体幹トレーニング⑨:プレート振りおろし
次は投手におすすめの体幹トレーニングですが、重めのプレートを活用して行います。
手順
- 脚を肩幅に開く
- 頭上でプレートを持っておく
- 地面に叩きつけるイメージで振り下ろす
- このとき全身を使って振り下ろすようなイメージで動作する
- これを10回×3セット行う
こういったトレーニングを行うことで、投球時に必要な体幹を鍛えることができます。
野手の体幹トレーニング⑩:ローテーション
続いては野手用の体幹トレーニングです。
手順
- 椅子に座った状態で、身体の近くで重めのダンベルを持つ
- 左のお尻に体重を乗せつつ、身体は右側へ捻る
- そのまま逆方向へ身体を捻る
- このとき、常に肩が地面と平行になるように注意する
- これを左右交互に20回×3セット行う
こういった体幹トレーニングを、週2~3回の頻度で行えば効果がありますので、ぜひこの頻度で実践してみてください。
そうすれば、
- より多くのボールを投げられる
- より多くバットをスイングできる
ようになり、練習量が増やせます。その結果技術が向上し、よりうまくなって目標を達成しやすくなります。
体幹トレーニングのやり方を考慮して行えば、今までに感じなかった変化を実感できるはずですね。
ちなみに、コンディショニングについては以下の記事で解説しているので、こちらもあわせてどうぞ。
今回は以上です。最後まで読んでいただき、ありがとうございました!