
ピッチャーのグローブの使い方を変えることで、投球側の腕がリラックスし、よりスムーズに投球動作をすることができます。
どうしても動きが硬くなってしまったり、腕がスムーズに上がらない選手は、これだけでパフォーマンスが変わる可能性もあります。
この記事では、
- ピッチャーのグローブの使い方
- グローブの使い方と身体の関係
などを解説します。
今回の記事の内容
ピッチャーの基本的なグローブの使い方
基本的な投球動作は「ピッチャーの基本的な投げ方を3ステップで解説」で解説しているので、まずはこちらをご覧ください。
この中で体重移動のときに腕の使い方も触れていますが、ピッチャーは特にグローブをどのように使うかそこまで意識しなくて問題ありません。
ただ、別のポイントもあるので、そこから解説します。
投球腕と逆の腰を少し引く
ピッチャーがボールを投げるとき、腕は前側に動きますよね。
下半身で蓄えられたエネルギーを、最終的に指先からボールへと伝え、ボールがリリースされます。
このとき人間の身体では作用-反作用が働くため、投球腕と逆側の腰を少し引くことで腕は加速されるんですね。
感覚的には、
投球腕と逆側の横腹(腹斜筋)にクッと力を入れるような感じ
で投げると、腕が早く動きボールが加速されます。
腕は基本的に自由で問題ない
ボールをリリースするとき、
- グローブ側の腕は抱える
- グローブ側の肘を引く
などと言われますが、基本的にやりやすい形で問題ありません。
一番重要なことはグローブ側の使い方よりも、上記でお伝えした腰を少し引くような感覚で動けた方がパフォーマンス的にプラスになります。
これがベースになりますが、体重移動のときにグローブの使い方を変えると、投球動作がスムーズになる可能性もあります。
投球動作がスムーズになるグローブの使い方
まず最初に、いつも通りの投球フォームでボールを投げます。
グローブの使い方を意識しない投球動作
僕の場合は、以下のような動作になります。
全体の動きはある程度スムーズなので、もし普段からスムーズに動けている方はそのままでも問題ないと思います。
続いては、以下のように投球動作を行ってみてください。
グローブ側の腕を先に伸ばす
軸足に体重を乗せて体重移動をしていくとき、先にグローブをキャッチャー方向に出して腕を伸ばします。
その後に投球動作を行ってみてください。
そうすると、投球腕の肘が曲がりやすく、リラックスして投球動作を行えることがわかると思います。
身体の自然な反応を利用する
人間の身体は、伸ばした腕の逆側の腕は曲がりやすくなるんですね。
右投げの場合、
- グローブ側の左腕を伸ばす
- 投球腕である右腕が曲がりやすくなる
という反応が起こり、投球動作がスムーズになります。
全体の動きがスムーズになることで球速が上がったり、コントロールが良くなるケースもあります。
ですので、トレーナーとしてピッチャーの方にグローブの使い方をアドバイスできるとすれば、こういった反応を利用して投球動作を行うということですね。
リリース直後は軽く顎を引くこと
グローブの使い方と関係ありませんが、リリース直後の顎や目線の向きも気をつけた方がいいかもしれません。
選手たちを見ているとよくやりがちなのは、
投球後にキャッチャーを見てしまう
ということです。
投球後にキャッチャーを見続けると、肩肘を痛める可能性があるんですね。というのは、キャッチャー方向を見続けると、その方向に腕が伸びやすくなります。
そうすると、フォロースルーが適切にとれず、肩の後方の筋肉が伸ばされてしまいます。
こういった動作が繰り返されると、炎症が起こり痛みにつながります。
投球後は軽く顎を引き、上目遣いで正面を見るようにします。
軽く顎を引くことで、その方向に腕が動くため、腕が身体に巻きつくようにフォロースルーがとれます。
そうすると肩肘に過度なストレスがかからず、痛めることもありません。
ここは自然な身体の反応として起こることなので、ぜひ覚えておいてほしいなと思います。
今回は、グローブの使い方で投球動作がスムーズになるということをお伝えしました。
今回の記事のまとめ
- グローブ側の腕を伸ばすと、逆の腕が曲がりやすくなる
- グローブを出すように意識すると、逆の腕がリラックスする
- その結果、投球動作がスムーズになる
- フィーリングが良ければ、今のフォームに活かす
今回の内容が少しでも参考になれば嬉しく思います。最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
肩肘を痛めない投げ方も解説しているので、こちらの記事も参考にどうぞ。