
今ご自身が思う「正しい立ち方」を実践すると、どうも疲れてしまったり、しっくりくる感覚がないかもしれません。
身体の構造上、自然な(正しい)立ち方ができると非常に楽ですし、骨で立つような感覚になるんですね。
この記事では、
- 正しい立ち方はどのような姿勢か?
- 正しい立ち方を習得する4つの方法
- 壁立ちについて
などを解説します。
ちなみに、今回お伝えする立ち方は、
- 前ももの張りや反り腰を改善したい
- 腰痛や膝の痛みを改善したい
- 楽に立てるようになりたい
などの悩みを抱える方にしてほしい立ち方になり、実践方法は同じです。
ここでお伝えする「正しい立ち方」ができると今まで以上に楽ですし、正しい姿勢の認識が変わると思うので、ぜひ参考に実践してみてください。
今回の記事の内容
正しい立ち方とは
今回お伝えしたい“正しい立ち方”というのは、人間の構造上自然な立ち方という意味で解説しますね。
正しい立ち方の全体像
まず、横側から見た正しい立ち方は、以下の通り。
ポイントとしては、
- 頭や上半身の重みが踝真下に抜けて骨で立っている状態
- 肩は軽く前側の位置にある
- 骨盤は適度に前傾している
- 若干膝は曲がったような状態でゆとりがある
- 全体としては力みがなく、ただ骨で立っている感覚
など。
1番のポイントは、正しい立ち方ができると、
骨で立つような感覚
で立つことができます。こういう感覚で立てると、筋肉かかるストレスが最小限になるため、非常に楽なんですね。
よくありがちな崩れた立ち方は、以下のような姿勢。
へそが前に出てしまい、重心が前に偏ってしまう。
本来であれば、黄色い矢印ラインに立っておきたいところですが、全体的に前側に崩れてしますよね。
こういう状態は、腰や脚の部分的なストレスが増すためおすすめできません。
また、後方から見たときに正しい状態は、基本的に左右対称の状態ですね。
こういう状態で立つことが、大きな目安になります。
正しい立ち方でのつま先の向きや重心位置
細かいポイントで見ると、正しい立ち方でのつま先の向きは、左右で約30度ぐらい開きます。
現在、解剖学で言われている自然な状態は、
左右それぞれ15~16度、外側を向くことが自然
と言われているんですね。
ですので、グー1つ分ぐらいの足幅で立ったときはつま先は左右で30度ぐらい開くようにします。
また、重心位置については「踝の真下」に乗せるようにします。
ここが足裏の真ん中の位置になり、この重心位置で立つと非常に楽に立てます。
膝は若干曲がったような感覚で立つ
これは現場で特に女性がしがちな癖ですが、膝をグッ!と伸ばした状態で立ってしまっているということ。
自然な状態で立てると、膝は若干曲がっているというかゆとりがあるような感覚になるんですね。
画像を見ていただいても、膝が伸び切っておらず、軽く曲がっているように見えますよね。
これが自然であり、正しい状態です。後程解説する立ち方の改善方法を実践すると、この感覚はよりわかると思います。
軽く出っ尻状態で立つ
また、正しい立ち方を実践する上で重要なことの1つに、「軽く出っ尻状態で立つ」ということ。
正しく立てると、骨盤が適度に前傾状態を保ちます。そして、この出っ尻状態で立てると、自然と重心は踝の真下にくるんですね。
ただ、現場で見ていても、以下のような骨盤が後方に倒れてしまっている方は多いと思います。
自然な状態はこっちです。
比べると、違いはよくわかりますよね。
この骨盤の適度な前傾状態は、椅子に座ってから立ちあがると習得しやすいので、ここも含めて続いては立ち方の習得方法をご紹介します。
正しい立ち方を習得する4つの方法
まず最初に大切なことは、椅子に座った状態で「自然な骨盤の位置」をインプットすること。ここから解説します。
①坐骨で椅子に座る
このステップは「正しい座り方は疲れる⁈正しい座り方を習得する4ステップ」で解説しているので、まずはこの記事を参考に骨盤を自然な状態に直します。
そして、骨盤の傾きを改善する際、足元は、
- 肩幅か腰幅ぐらいに足幅を開く
- つま先は軽く開く
という状態で椅子に座ってください。
坐骨で椅子に座れたら以下のような状態になるので、ここから次のステップに移ります。
②身体をお辞儀させていく
次は坐骨で椅子に座った状態から、顔を前に送るようなイメージで身体をお辞儀させていきます。
このとき、背中が丸まってしまわないように気をつけましょう。
イメージとすれば、自然に座った状態からそのまま上半身が前に倒れていく感覚ですね。
③踝の真下に体重を乗せる
身体がお辞儀できると、そのまま顔を前に送り続けるイメージで椅子からお尻を浮かせます。
そして、お尻を椅子から浮かせたら体重を両足の「踝の真下」に乗せます。
(※ここ、かなり重要です!)
ここの段階までできると、後はシンプルです。
④踝真下を感じながらまっすぐ立ち上がる
踝の真下に体重が乗れば、あとはまっすぐ立ち上がるだけです。
そうすると、感覚的には、
- 踵の骨を感じて立てている
- 楽に立つことができている
- 膝が若干曲がり、ゆとりがある状態で立てる
などを感じた立ち方になると思います。これがお伝えしたい、現場でも指導している正しい立ち方です。
この立ち方が継続的にできると、
- 前ももやふくらはぎの張りが改善する
- 反り腰や腰痛が改善する
- 脚が疲れにくくなり、ヒップラインが変わる
という変化が生まれるため、ぜひこの立ち方を継続してほしいですね。
肩の位置を修正することが必要かも
また、この段階までできても立ち方がしっくりこない場合、肩の位置がズレているかもしれません。
肩の位置の修正方法は、「正しい座り方は疲れる⁈正しい座り方を習得する4ステップ」の中で解説しているので、こちらを参考にしてみてください。
「壁立ち」=正しい立ち方ではない
僕自身が考える「正しい立ち方」は上記で解説した通りですが、壁立ちが正しい立ち方と言われることもありますよね。
個人的に壁立ちはおすすめできません。なぜなら、不自然な立ち方になり、疲れる立ち方だからです。この辺りもお伝えします。
壁立ちとは
壁立ちというのは、文字通り壁に沿うような立ち方のことをいいます。
壁立ちをするとき、
- 後頭部
- 肩甲骨
- お尻
- 踵
の4点を壁につけて立つことが良しとされているんですね。
実は、この4点を壁につけるということがそもそも難しいこと。
4点を壁につけることは身体の構造上不自然
4点をつけて壁立ちをするのは、身体の構造からすると不自然。
というのは、お尻は本来後方に膨らみがあり、後頭部や踵の位置よりも後ろ側に出ています。お尻の膨らみを考慮すれば、このような立ち方が自然なはずですよね。
4点を壁につけようとすることで、
- 肩甲骨が過度に寄ってしまう
- へそを突き出すように、腰が反ってしまう
- 体重がつま先にかかり、太ももの前側の張りにつながる
こういった姿勢の変化が起こり、上記でお伝えした正しい立ち方から大きく外れてしまいます。
ですので、よほどの目的がない限り壁立ちはおすすめできません。
壁立ちでふくらはぎは壁につかない
また、壁立ちをされている方から、
壁立ちのとき、ふくらはぎが壁につかないですが…
と聞かれることもありますが、お尻の膨らみを考えるとふくらはぎがつかないのはある意味当然と言えます。
ですので、もし壁立ちでふくらはぎがつかないと悩む方がいれば、それは特に問題はないので安心してください。
壁立ちは身体の問題につながる可能性
今、
- 肩こりや首こり
- 腰の張りや腰痛
- 太ももの前側の張りや膝の痛み
こういった症状に悩んでいる方は、壁立ちのような立ち方をしていることが問題かもしれません。
こういう立ち方になってしまうと、筋肉にストレスがかかり、そのストレスに耐えられなくなると身体の痛みや不調につながってしまうので、壁立ちよりも上記でお伝えした立ち方を実践していただきたいなと思います。
今回は、正しい立ち方の考え方や実践方法をご紹介しました。今回の内容は、全ての方のメリットになるので、改善してほしいですね。
今回は以上です。最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
ちなみに、この立ち方の延長に歩き方があるので、こちらもよかったら参考にしてみてください。
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